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その咳、大丈夫?

~夏型過敏性肺炎~

酷暑はなかなか収まらず、こちらは相変わらず冷房機器に頼っている毎日なのですが、皆さん体調は大丈夫でしょうか。

節電励行と熱中症の狭間で、やはり「健康第一」との理屈からエアコンに手が出がちでありますが、さてそのエアコン、大丈夫でしょうか。咳などしていませんか?
もし咳などが始まっっていたら、夏風邪と端的に思わないことが大切です。

今回は夏に多く発症し、風邪と勘違いしやすい病気を紹介し、夏の健康対策に役立てていただきたいと思います。

1 夏型過敏性肺炎とその症状
夏型型過敏性肺炎とは、埃や鳥の糞、カビや細菌を繰り返し吸い込んでしまうことにより、それらへのアレルギー反応の結果、肺炎を起こすという過敏性肺炎の中のひとつです。
過敏性肺炎というのは、アレルギー物質を吸い込んでいるうちに、気管支の先の部分でアレルギー反応により発病する、「びまん性肉芽腫性間質性肺炎」です。気管支ぜんそくと診断されることもあります。
夏型過敏性肺炎には2種類あって、殆どが風邪に似た症状だけに留まるもの(急性型)ですが、肺に重大な機能低下を引き起こしてしまう重い症状のもの(慢性型)があります。
急性型は、多くの場合、抗原となるカビを吸い込んでから数時間後に、咳や痰・発熱などの軽い風邪のような症状で始まります。この症状が夏風邪と似ているのですが、風邪だと思って放っておくと慢性的に炎症が進行し慢性型になってしまいます。
慢性型になってしまうと、次第に息切れなどの呼吸困難を伴う肺炎の症状が出てきます。
症状は最大で半日程度続き、環境がそのままだとそれ以降も続きます。環境から離れると数日から10日で回復しますが、環境改善をせずこの状態を何年も繰り 返すと、肺が繊維化しぶ厚くなって「肺繊維症」というやっかいな病気につながることもあるのです。まさに「風邪は万病のもと」なのです。

2 原因
夏型過敏性肺炎の原因は、カビ(トリコスポロン・クタネウムという真菌)です。この胞子を何度も吸い込んでしまうことによってアレルギー反応が起き、肺に炎症が生じます。
このカビはエアコンで繁殖していることが多く、つまりはエアコンの使用時期である夏の間だけ過敏性肺炎の症状が現れることが多いです。
日本では、このカビを抗原とする過敏性肺炎が7割以上を占めるほど多く、高温多湿でカビが繁殖しやすい夏季に多く発病するために「夏型過敏性肺炎」と言われています。
ちなみにこのカビは、浴室と脱衣所の間、台所の流し台、窓付近の畳に多く、カーペットや寝具などでも繁殖しますので注意が必要です。

3 見分け方・診断及び治療法
夏型過敏性肺炎と夏風邪との違いのポイントは、
①夏の間だけ咳が出る
②夏風邪の症状が旅行などで回復する
③夏になると同じ症状が何年も繰り返す
④家に居る時間が長くなると咳がひどくなる、などがあります。これらを参考に判断すると良いでしょう。
診断は、胸部X線検査、肺機能検査、抗原の特定、抗体を調べる血液検査、さらには肺組織の顕微鏡検査などで行われます。
また、治療法は、症状が軽く日常生活に影響しない場合は、同じ抗原に再び触れないようにすれば回復します。症状が重い場合は、副腎皮質ホルモン剤(ステロ イド剤)の吸引で症状や炎症は軽減することができます。大袈裟と考えず、気になったら一度検査を受けましょう。最悪の場合呼吸不全にもなる肺炎ととらえ、 早期発見に努めることが賢明です。

5 予防対策
先ほどの治療法のとおり、抗原に触れないようにするには、カビの繁殖しやすい条件を作らないことが大切です。カビの生育しやすい条件は
①20度から30度の温度が最も増殖しやすい
②80%以上湿度で急速に増殖
③糖類の栄養をむ
なので、これらを踏まえ、部屋の温度や湿度に気を配り、エアコン・加湿器、浴室、台所など水周りの掃除はこまめ行いましょう。
カビが発生してしまった場合には、その場所をしっかりと掃除し、カビ取り剤、消毒用アルコール等の薬液を使い退治しましょう。掃除の際には、カビを吸い込んでしまわないようにマスク、プラスティック手袋などで防護することもお忘れなきよう。

ただでさえ暑さで体調が不安定になる夏。やはり掃除は大事です。面倒がらずに、こまめな掃除は健康につながることをご理解ください。

2011.08.16

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