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たまの休日になるとついつい寝すぎてしまった。なんて経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。しかし、いつもより過剰に睡眠をとると、頭痛が伴う場合がありますが、なぜ寝すぎると頭が痛くなるのでしょうか?

寝すぎにより起こる頭痛のメカニズム

寝ることで脳がストレスから解放されると脳血管が拡張します。そして、寝すぎることで必要以上に血管が拡張し、脳血管周囲の三叉神経が刺激をうけ、大脳が刺激を受け取り、頭痛という痛みとして伝わるといった片頭痛と同じ機序です。また、睡眠中はほとんど同じ姿勢をとり続けることになり、首や肩などにも余分な負担がかかり血流が悪くなるので、肩こりが頭痛を引き起こす緊張型頭痛の一因となります。
寝すぎによる頭痛は、片頭痛と拡張型頭痛の2つが考えられます。

寝すぎによる頭痛の症状と解決法

(片頭痛)
目の奥や頭の側面、ときには頭の全体に、脈を打つような強い痛みが現れます。痛みは急に出てくることが多く、治まったり、痛くなったりと繰り返して出てきます。薬を飲まなければ数時間から72時間にわたって、変動する痛みに悩まされます。頭を左右に振ったり、おじぎをしたり、運動したりしたときなど、頭を動かす動作に伴って痛みも強くなるのが特徴です。頭痛と同時に吐き気や嘔吐がある場合があります。
全体の2割程度の人に、頭痛を感じる前、閃輝暗点と呼ばれる、まぶしい光や視野を横切るギザギザした線が見えることがあります。光や音、においなどに過敏になることも特徴です。
脳内の広がった血管を収縮させると解消されます。具体的には以下の3つです。
1. 首の後ろを冷やし、両耳の後ろをもむ。首の真後ろのくぼんだ所「盆の窪」と呼ばれるところを冷やすのが有効です。盆の窪を揉むと片頭痛が悪化するので避けましょう。両耳の真後ろの頭蓋骨と首の筋肉を揉むと、痛みが和らぎます。
2. 暗く静かな涼しいところで休む。光や音などに過敏に反応しやすくなるので、明るいところや、騒音があるところは避けて、薄暗く静かなところでゆっくりと休みましょう。さらに、片頭痛は、体温が高くなると痛みが悪化するため、外の気温が高いときは外出を控え、室内の涼しいところで過ごしてください。
3. 起床後にカフェインを摂取する。
片頭痛は脳内の血管が広がることが原因となるため、血管を収縮させるカフェインを摂ると痛みが軽減します。

(緊張型頭痛)
頭を締め付けるような鈍痛が起こります。痛みは、後頭部の下の方から、次第に頭全体に広がっていき、時間をかけて強くなっていきます。痛みの頻度はまちまちです。片頭痛とは異なり、頭を左右に振ったり、おじぎをしたり、運動をしたり、頭を動かす動作によって痛みが強くなることはありません。また、吐き気を感じることはあっても、実際に吐くことがありません。精神的なストレスから、筋肉が緊張し緊張型頭痛を起こしてしまう場合もあります。ストレスをためやすいのは、真面目な人や律儀な人、不安や心配事を抱えている人だといわれています。
筋肉の緊張をほぐすような解決法が有効です。
枕を低くしたり、布団の歪みを直したりして、寝る環境を整えましょう。筋肉が緊張しているのをほぐすためには、適度な運動が効果的です。就寝の1時間前ほどまでには、湯船に浸かって、筋肉をじんわりと温めると、こめかみや肩などの筋肉がほぐれて、緊張型頭痛が軽減されます。
解決法を試しても頭痛が改善されない場合や、病気の可能性がある場合は医療機関を受診してください。

寝すぎてしまう原因

睡眠時間が不足している。平日の睡眠時間が不足していると、休日がなかなか起きられず、寝すぎてしまうことがあります。寝だめは睡眠不足の解消になりません。
睡眠の質が悪い。睡眠に質が下がると十分に疲労回復できず、いつまでも眠気が続いて、寝すぎてしまいます。コーヒーやお茶に含まれるカフェインを摂りすぎたり、就寝前にスマートフォンを見てブルーライトを浴びたりすると、脳が覚醒したまま眠りに入ることになり、睡眠に質が下がります。ほかにも、夜にコンビニエンスストアのような明るいところで光を浴びてしまうなど、入眠前に覚醒をつかさどる交感神経が活発になるような行動をとると、入眠が妨げられ、深い眠りにつくことができなくなります。
ロングスリーパーではないのに、頻繁に10時間以上も眠ってしまうことが続く場合、寝すぎは病気の症状かもしれません。うつ病、糖尿病といった病気の可能性があります。

寝すぎの予防法

寝すぎによる頭痛を起こさないためには、ぐっすり眠り、スッキリと起床できる状態を保つことが大切です。適度な睡眠をとったうえで、普段からできる睡眠の質を上げることが大切です。
起床から4時間に眠気が残っているかをチェックしてみてください。頻繁にあくびが出たり、身体にだるさを感じたりしているようなら、まだ眠気があるという目安になります。本来であれば、起床から4時間後は最も頭が冴えているはずの時間帯です。眠気は「睡眠が不足しているので眠りなさい」というサイン。ここで眠気があるようならば、睡眠時間が足りていない可能性があります。
「睡眠ログ」を活用して、自分の睡眠時間を客観的に目で見えるようにするのもよい方法でしょう。起床時間と就寝時間を日々記録しておけば、睡眠時間を明らかにできます。さらに、目覚めたときにどれくらいすっきりしたかの「目覚めの良さ」と「日中のパフォーマンス」も記録することで、どれくらいの睡眠時間の時に、自分が満足できる睡眠をとれたのかを振り返ることができます。目覚めの良さやパフォーマンスの良い日の睡眠時間が、自分に合った最適な睡眠時間と言えます。

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